Keito joh official web site



 〜2016新作〜  ほとばしる情熱




「現」

 2015年から2016年、城景都の渾身の作品が6点生まれた。
 緻密さは磨きがかかり、ストイックさはさらに深く、その色彩は鮮やかながらも毒を持つ。
 この「現」という作品は城景都の真骨頂が凝縮されている。
 こちらをじっと見つめる目、おびただしいほどの植物。
これらは城景都が長年こだわり、描き続けてきたものだ。
 「現実」にありそうで「現実」にありえない。
それを具体化し、キャンバスにぶちまける。
 美しく幻想的な茂みから浮かび上がる女性の視線、
広がる世界に葉脈をモチーフにした城景都独自の世界をさらに「表現」している。
 彼の頭の中のレイヤーは幾重にも重なり、唯一無二の作品を「現実化」していくのだ。






「征」


無数に重なる見つめる目。まるで十字架の様なタイル模様。
その十字架は「征服者」のもつ背徳心を表すアンチテーゼの顕れだろうか。
次元を超越したかの様な不思議な空間に魅了される。
城景都が私たちに投げかける幻想的な迷路。
美しさの罠に身動きが取れない。
脳は大いに刺激され、奥深くに眠るものを呼び覚ます。
深く見つめれば見つめるほどさらに心を奪われる。
城景都の紡ぎ出すキュビズムを篤とご覧あれ。


そして見つめる者をその絵は「征」していくのだ。










「治」


今回の作品の中で特に城景都ならではの女性の曲線美と肉体の質感を
存分に味わえる作品ではないだろうか。
生まれたままの姿で横たわる女性。
見守る様に女性を囲むまるで幼女にも見える女性たち。
それは美しい天使たちが無防備に横たわる女性を見守る姿なのか、
はたまた恐ろしい顔を清らかな顔で覆い隠した悪魔が
視姦するかの如く狙う視線だろうか?
横たわる女性は深い眠りにつきその存在を知らない。
ただただ見つめる視線は一体何を訴えているのだろうか。

心に負った傷をその視線で治癒されるかの如く。





「作」


城景都の作品において、欠かすことの無い植物を
全面に余すところなく描き上げた作品。
美しい花々、芳しいほど咲き乱れるその姿に
城景都の真骨頂である葉脈をモチーフとした手法を施し、
彼にしかできない緻密で繊細な職人技とも言える作風は
健在であり、今でもなお進化し続けている。
鮮やかな色彩とうっとりする様な不思議な植物たち。
秘密の花園がこの一枚に。





「座」

 優美な華と共に浮かぶ美しい女性の表情。
 得意げな表情の女性は何を訴えているのか。
 その魔性とサディスティックな表情に想像をかきたてられる。
 城景都が表現する独創的な美。
儚さと狂気に満ちた佇まいを見せる一枚である。
 そして幻想の中に上品さを併せ持つ作品でもある。






「固」

 今回の6点の作品の中で一番、ファンタジーを感じる一枚。
幻想的な物語を彷彿とさせる謎多き作品である。
ギリシャ神話の様な古典的な佇まいを醸し出し
見る者をパラノイアの渦に巻き込み、
道徳心を崩壊させる官能のひととき。
エロスと幻想が交差する甘美と陶酔の劇薬。

その視線に見つめられたら最後、
メドゥーサの魔力に貴方は石の様に固まりゆく。